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ネパール語のローマ字表記について

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ネパール語のローマ字表記について

f:id:nepaluni:20200515192944p:plainチャットする人:「ネパール人とメッセンジャーでやりとりしてるんだけどローマ字の使い方がみんなバラバラで正解が分からない…」

この記事ではこのような疑問に答えます。

最近わたしもネパールの方の「スペル」について詳しい方にご相談したことがあるので、その情報と参考書籍の情報を混ぜてご説明しますね。

専門家ではないため、参考程度に見ていただけたら幸いです。質問をされても、書籍の案内しかできませんのであしからずご了承ください。

まずはじめに

本題に入る前の前提

ローマ字でメッセージが届くのは何故か

ネパールの方とメッセンジャーなどでやりとりをする際、ローマ字でのやりとりが基本ですよね。わたしは以前、「自分が外国人だから気を遣ってローマ字でメッセージを送ってくれているんだ。」と思っていました。しかしこれは勘違いでした。ネパールの方が、ローマ字でやりとりをする理由はデバナガリ入力が面倒(गाह्रो)だから。ネパール人同士でもローマ字でメッセージを送りあうのが普通みたいです。(年代や職業によりますが一般的に)

綴りの認識について

 ネパールの人は、綴りに関してかなり大雑把です。

 大学に入り、ネパール語を専攻して初めて綴りをとやかく言われるらしく、多くの人は綴りを気にしていないようです。(कीでもकिでも、○)

ちなみに、試験では綴り間違い1箇所で1点減点だとか。

 ネパール語の発音について

 現在のネパール語には母音の短長に、発音上で長さの違いはありません。(「ー」を付けるか付けないかの差)

表示上、サンスクリット語の名残で、短母音・長母音の区別はありますが、ネパール語では「इ(い)」も「ई(い)」も、「उ(う)」も「ऊ(う)」も全く同じ発音なんですね。ただし「अ(あ)」と「आ(あ)」は音の発音自体が違うので、最初は難しいですがこんがらがらないように気をつけましょう。

 ※注意

・母音の短長に関わらず、アクセントが来る母音はやや長めに聞こえる傾向がある。

 ・これはネパール語の話でサンスクリット語ヒンディー語には別のルールがある。

なぜ誤った表記をするのですか?

f:id:nepaluni:20200515192944p:plain実際にあった質問

「खानु はखが長母音なので、khaanu と表記するはずなのに、ネパールの知人たちは、khanu と短母音で表記します。何故ですか?」 

さて、本題ですが、この質問に対するわたし回答は…「理由はありません。」「間違いではありません。」です。※専門家ではないので参考までに!!!

顔文字の使い方にルールが無いのと一緒

 日本の本では、「ख」と「खा」の違いを示す為に、長い方の「खा」を 「khā」や「khaa」と表したりするかもしれませんが、別にこれはネパールのルールではありません。

ネパール語にローマ字表記のルールが無いため、わたしたちがよく目にする書籍などでは、サンスクリット研究に用いられるローマ字転写(IAST)が採用されていたり、その書籍独自のルールでネパール語を表しているようですが、ネパール人からしてみると、खもखाも、長さは同じなので、「kha」でも「khaa」大差がないのです。つまり、気にならないのです。短い物が長くなっていたら「おや?」となるかもしれませんが…

 「च」と「छ」の区別

例えば、「च」と「छ」の区別を

「ca」「cha」で表す書籍(人)もあれば、「cha」「chha」と表す書籍(人)もあります。最近では、「cha」と「xa」で区別する若者もいます。

これらはどれも間違いではない。正解でもない。ということなのかと思います。

ルールについて

ルールはない

日本人の感覚では、正しい綴りに統一されていないことが信じられないかもしれませんが、色んな方にお訊ねした限りでは、ローマ字のルールがないんだそう。

また、最近、綴りに関してかなりしつこくネパール(若いネワール人)の友人とやりとりしていますが、「本当に習っていないから知らない。」とのことで、学校で辞書を引く文化も無かったみたいです。
さらに、「おじいちゃんとか専門家なら分かると思う。あと、お父さんが知ってたら絶対自分に教えてくれてたから、お父さん世代も習ってないと思う。」とのこと。

 実は最低限のルールはある

ルールが無い。とは言っても発音が明らかに異なる場合はネパールの方も、違和感を感じるようです。(気にしない方が多く、指摘される方がレアですが)

確かに、日本語でも「おーさか」や「おうさか」は納得できても「えーさか」や「えうさか」と言われたら、ちょっと待って音が違う!となりますもんね。

特に初心者の 日本人が間違えやすいのは「」行(「H」と 「F」が含まれる)と、「」行(「L」と「R」が含まれる)です。

日本語にはこれらの発音の区別はありませんが、ネパール語の明確な違いがあります。

 例えば、हुनुहुन्छ(フヌフンチャ)を、hunuhunchaではなく、funufunchaと誤って表記すると歯が抜けた人が話しているような印象を受けます。

हは「h」

फは「ph」など

रは「r」

लは「l」

と表記しないと、音が違うので違和感を感じるようです。

中級者以上の方は、日本人がみんな間違える発音(अとआ、रとल、有気音無気音、鼻母音)は、ネパール人も慣れているので、間違っていても基本的には指摘はされないないことを念頭に置いて、綴りや発音を気をつけましょう!(わたしも頑張ります) 

おまけの豆知識

छ の「xa」表記について

f:id:nepaluni:20200515192944p:plainネパール人とチャットでやりとりをする人

sanchai xa?というメッセージが来たんですが…」「こんなの本に載ってない…」「チャなのは分かるんですが、xaってなんですか?」 

 10代20代の方がよく使うやつですね。まず、この、xa は छ を表していて「sanchai xa?」は「सञ्चै छ?」を表しているのだと思います。

ネパール語で、क्(k)とष(ṣa)の結合子音字の क्ष(kṣa)はクシャではなく、チャ(cha)と発音しますよね。

 

日本語:結核

ヒンディー:क्षयरोग(クシャローグ)

ネパール語:क्षयरोग(チャヤローグ)

 

そして、xa は、ローマ字をそのままフォニックス(xは、[ks]、[z]、[gz]と3通りの発音があります。)で読むと ksa(クシャ) と発音します。


つまり、xa=kṣa=cha=छということから、छをxaと表すのかな?という感じです。(いきなりフワッとさせてすみません。)

ちなみに、このxaは、Thank you を、Thanq と書かれるような感じの方が使う印象で、かなり若者感(って言っとく」を「てゆーとく」と書くみたいな)があふれてしまうような感じがしないこともないのでご注意ください。(いきなりフワッとさせてすみません。)

 

以上です。いかがでしたか?

参考にした書籍は以下の記事からみてください。また、ネパール人のアルファベットについて特集している書籍情報をもしお持ちの方がいらしましたら是非、コメントから教えてください。よろしくお願いいたします。

nepal55.hatenablog.com

文字と発音についてはCDエクスプレスネパールと基礎ネパール語がオススメです。

お読みいただきありがとうございました。