日本にはネパール語の詳しい文法本が2冊ありますよね。
そのうちのひとつ。CDエクスプレスネパールは、数少ないネパール専門の語学家、野津治仁先生が書かれた基礎文法書であり、著者の語学講座で利用される参考書でもあります。
この記事では、先生から(一応)全ページを教えていただウニが、本を先に手に入れた先輩として「難易度」と「ざっくりとした内容」を共有します。
この記事がこれから学ばれるあなたの、気力・体力=時間の節約に繋がったら嬉しいです。
※講座で教えていただいたからといってマスターしている訳ではありません
CDエクスプレスネパールの構成
CDエクスプレスは全20課+文字と読み方からなります。巻末には他の文法本や辞書同様、詳しい活用表などが記載されています。
各課でどんなことが学べるのか画像にまとめてみました。
一冊を理解するだけで、こんなに学べるんだって思うと、知的好奇心のお強いあなたはワクワクされるのではないでしょうか。
CDエクスプレスネパールの難易度
次に難易度についてお伝えします。「レベル★」は理解力低めなわたしが、主観で難しさを星の数で表しています。わたしが難しいと感じたところは、暗記事項がある部分で、重要なところかと思います。そのような部分を理解せぬまま飛ばしてしまうと雪崩のように、周辺の簡単な内容まで理解できなくなるので、一般的な基準なのか不安ですが、是非ご参考になさってください。
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文字と発音テキスト:P9〜23
レベル:★★★★★★
第1課テキスト:P24〜27
レベル:★★☆☆☆
第2課テキスト:P28〜31
レベル:★☆☆☆☆
第3課テキスト:P34〜37
レベル:★★★★☆
第4課テキスト:P38〜41
レベル:★★★★★
第5課テキスト:P44〜47
レベル:★★★★★★
第6課テキスト:P48〜51
レベル:★★☆☆☆
第7課テキスト:P54〜57
レベル:★★★★★★★
第8課テキスト:P58〜61
レベル:★★★★★
第9課テキスト:P64〜67
レベル:★☆☆☆☆
第10課テキスト:P68〜71
レベル:★★★☆☆
第11課テキスト:P74〜77
レベル:★★☆☆☆
第12課テキスト:P78〜81
レベル:★★☆☆☆
第13課テキスト:P84〜87
レベル:★★★☆☆
第14課テキスト:P88〜91
レベル:★☆☆☆☆
第15課テキスト:P94〜97
レベル:★☆☆☆☆
第16課テキスト:P98〜101
レベル:★☆☆☆☆
第17課テキスト:P104〜107
レベル:★★☆☆☆
第18課テキスト:P108〜111
レベル:☆☆☆☆☆
第19課テキスト:P114〜117
レベル:★☆☆☆☆
第20課テキスト:P118〜121
レベル:★★☆☆☆
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この一覧は、4課くらいで力尽かれている方に、いま踏ん張りポイントに居るんだよ!ということを、なんとか「お伝えしたい。」と思って纏めたものです。(かなり主観です。)
いつもCDエクスプレスを持ち歩いている方にも、是非、目次としてご活用いただけたらな。と思います。
難しい課は、その章を読み始める前に、あらかじめ単語や例文を暗記してしまうことをオススメします。
なお、文字と読み方だけは絶対に抜かさないことをオススメします。難しいかもしれませんが、しがみついて、分からない日本語はグーグル検索したり、日本語音声学の本を読んだりして、時間をかけても良いので理解をしてください。ここを飛ばすと、後半から意味が分からなくなってきます。基礎ネパール語やその他の書籍などを併用すると良いかもしれません。
CDエクスプレスネパールを最後までやりきるコツ
例文(本文)の考え方
ネパールの人の前で、文章のページを開いたことがある方は「この文章おかしい。実際はこうだ。」「こんなネパール語を覚えるよりも会話で学ぶべきだ。」と突っ込まれたご経験があるかもしれません。
確かに、そうなんです。文法本には、到底、私生活には登場しそうにない会話文も出てきます。
しかし、注意です!
文法本の本文は「使える文章/フレーズ集」ではありません。その課で説明される品詞や活用などの「練習」を、会話に詰め込んだ理解/暗記用の文章です。
フレーズ集と勘違いせず「あはは。説明の為に、むりやり詰め込んでるなぁ。」と作者視点になって考えることをオススメします。そう考えると、スムーズに理解でき、本文の情報量に気付くでしょう。
ネパール語の移り変わりと作者について
日本同様、ネパールでもここ何十年で色々な教育ルールや価値観が変わってきたみたいです。
例えば単語の英語化。
また「綴り」の簡易化もそうみたいです。「綴り」の教育はかなり簡易化され 長いイ,短いイの区別など気にせず、辞書通りでなくても音さえ合っていたら「〇」で習った世代もいるそう。(詳しくは知りませんがわたしの友人はその世代。)
しかしCDエクスプレスの作者は80年代からネパール語などを学ばれ通年7年8ヵ月ネパールでご活動ののち、現在は日本で語学関係の様々なお仕事をされている方。プロなので綴りには厳しいです。
ネパールでの高い学歴もお持ちで歩くネパール語百科事典のような先生の文法本ですから、現在ネパール語の教育基準とどこまでイコールなのかは、わたしにも分かりません。
もしかしたら今は教えられていない「専門的」な情報や若者が聞いたら「古い言い回し」だと感じる内容があるかもしれません。(反対に端折られている部分もあるかもしれません。)
しかし、わたしはそれも含めて理解してみたいと思います。
ある程度、ネパール語を理解した上で、現地でネパール語を話して過ごし、自分が使いたい世代のネパール語を、自分の耳と口で学んでいくことが流暢なネパール語を学ぶ近道なんじゃないか。と思うからです。
これを見た皆さんにも、細かいなぁ。と諦めずに一度受け入れて理解したい。と思ってもらえたら嬉しいです。
この本の良い所と悪い所
- 悪いところ
悪いところを強いてあげるなら記憶させる配慮が施されていないところでしょうか。
この本は本屋さんでよく見かける「一番かんたんな英語」、「10日で復習できる中学英語」みたいな本のようなサラッと読んでも理解できてしまうような親切さはありません。
丸腰で読んでしまうと眠たくなる人もいるかもしれません。ある程度の気合いや集中力が必要です。
※そんな気合いや集中力は待ち合わせてない。元気もない。そんな方は次のタイトル「作者に寄り添うこと」(わたしの裏技)を覧ください。
- 良いところ
ページ数が少ない(162ページ)ところ。
内容もシンプルでその一節さえ(理解して)暗記してしまえば大丈夫!という設計でその品詞や用法が無駄なく簡潔に説明されています。
石井先生の基礎ネパール語と比べても説明文の簡潔さが際立っているように感じます。
ページ数が限られていることもあるのか、例文にもぎっしりと情報が詰まっています。(この情報量に気付いた時点で本のファンになること間違いなし!)
また、ネパール文化を学ぶと分かってくる神様の物語や有名人の名前。マイナーだけど知っている人は知っているネパールの情報などが地味~に例文にちりばめられているのがネパール好きには面白いです。
ご自身でノートをまとめられる方にとっては、無駄な装飾や要素がないので、逆にまとめやすいデザインなのかな?と思います。
作者に寄り添うこと
この本を最後までやりきるコツはとにかく作成に寄り添うことと「この本くらいはやりきるぞ!」という目標を立てることです!
後者はご自身で実践されているかと思いますので前者を解説します。
図解化された分かりやすい参考書になれていると「文字ばかりで分かりづらいなぁ…。」と思ってしまうこともあるかと思います。
ただ、そんな気分になっていたら勉強が捗りません!作者視点になって考えるのです。
日本中のネパール語関係のお仕事を背負いまくってお忙しい中初心者のために眠らずに(?)原稿を作って仕上げた作者の気持ちになると「ここの説明、めちゃくちゃ分かりやすいなぁ…。」「凄いなぁ。」という気分になり前向きに読み進めることが出来ます。
本を好きになることをオススメします。また、別の著書などを読み、作者を知ってみるのも良いかもしれません。本の背景を知るとスーッと読み易くなります。
この本は「基礎」を教えてくれる
もう一つの参考書「基礎ネパール語」もそうですが、この本の可読性尺度は高めかと思います。
しかし「本の難しさ」と「内容」のレベルは比例しません!
この本は、ネパール語の基礎を教えてくれる本。語学学習的には出来て当たり前レベルの部分かと思います。
この一冊をゴールにするのではなく、この一冊を理解してはじめてスタートラインに立つような気持ちで進めると、最後までやりきれるのではないかと思います。
是非、色んな手を使って理解してしまいましょう。わたしも頑張ります!!頑張り中!!
最後に
本が手に入らない方
図書館をご活用ください。ざっくりとした図書館での本の検索は「カーリルローカル」というサービス。貯蔵数日本ナンバーワンの図書館、国立国会図書館(東京)での検索は「NDL OLINE」がオススメです。是非ご活用ください。(東京に行くなら東京外国語大学付属図書館に行くのもオススメです。)
本の作者に直接学びたい
そんな甘い話あるわけないじゃないですかー。と書きかけましたが、朗報です!
冒頭でお伝えした通り、野津先生は現役の語学講師でもあります!
様々なところでご活動をされているので、もし学びたい方は、調べてみてみてください。